2019/05/04

Götterdämmerung / 神々の黄昏


神々の黄昏、ノルンはまさにパルクのように演出されていて(どうせなら糸巻きや鋏を持たせればよかった)過去を語るノルンの原始を思わせる響きの歌唱が素晴らしかった。
演出はこのリング全体を通してとても分かりやすい。初めてリング観る人にも難しくないと思う。でもヴィースバーデンのジークリンデの服を抱きしめて息絶えるジークフリートや、パリの"Zurück vom Ring!"を叫ぶのがアルベリヒで最後にノルンに槍で殺されるという演出などを観てしまった後だとやっぱり物足りない。最後のヴァルハラ炎上で石像が倒れるとか、ブリュンヒルデがグラーネを引いて歩いて火に入るとか(それもグラーネは歩けないのでフィギュラン2人がかりで押してる)ちょっとアレだった。ラインの三姉妹も水中じゃないから仕方ないけれど、黒いカエルみたいだったし...
3人のノルンとヴァルトラウテ(右端)
ソリストはやっぱりシャーガーが群を抜いて良く、第1のノルン(写真右から2人目)とヴァルトラウテ役のシュスターも健闘。グンターのニキーチンは歌唱のラインが細く存在感が薄かった。ハーゲンのオーウェンは存在感のある歌唱だったけれども、温厚なオジサンのようで怨念と復讐の権化には見えず聞こえず。グートルーネはエルザ風の響きとラインの歌唱でいい感じだった。
ジークフリートから1日おいて復調しているかと期待したゴーキーはプレザンスセニックは申し分ないものの、声は復活していなかった。神々の終焉の幕を下ろすには力不足に聞こえた。残念…。
そういえば!私全然アルベリヒを失念していた!あんなに大事な役なのに、というかメインタイトルは彼の指輪だっていうのに。どうしてかしら…?彼のちょっと鼻にかかったような(受け口風な)声があまり好きではない、というだけではないと思うけれど。大きな謎だわ。

オケはジークフリートの時はあんなに活き活き鮮やかだったのがまたちょっとつまずいた感あり。でもお家のDMじゃないのに両方ともよく頑張ったわよね。葬送行進曲の時はジョルダンの指揮を凝視していたんだけれども、パリだったらこういう反応にはならないだろうなと感じた(これはリング全体での印象でもあり)。リングはやっぱりお家のDMが振るのがいいんじゃないでしょうかね。
じゃあバイバイMET!私たちはガルニエとバスティーユのある旧大陸に帰ります。またいつの日か!

Direction : Philippe Jordan
Production : Robert Lepage
Décors : Carl Fillion
Costumes : François Saint Aubin
Vidéo : Lionel Arnould

Brunnhilde : Christine Goerke
Siegfried : Andreas Schager
Gudrune : Edith Haller
Waltraut : Michaela Schuster
Gunther : Evgeny Nikitin
Alberich : Tomasz Konieczny
Hagen : Eric Owens


METでプレイビルの拡大版(レターサイズの縦が3インチ長い)というのがあって、ジークフリートの時に気づいて何のためかと尋ねたら普通のプレイビルでは字が小さすぎて見えづらい人用とのことだった(これについてはプログラムの中に説明あり)。2回目のアントラクトで残っていたので貰えるかと尋ねたら快くくれた(神々の黄昏のも忘れずに貰ってきた)。ラインの黄金で気がついたら全部揃えられたんだけど...でも1公演しかないシャーガーのジークフリートを入手できてラッキー。定型じゃないからどうやって額に入れようかしら?
クロ坊、ただいまー!お留守番ありがとねー😃