2014/04/12

L'Italiana in Algeri / アルジェのイタリア女②

今夜のアルジェのイタリア女の舞台を観て思った。初日の「いかにも初日という感じのパフォーマンス」は、あれが初日だからではなくて、この公演のレベルなんだと。コミックで笑えて楽しいけれど、セルバンの謎な演出はどこまでも謎のままだし、コレグラフィやセノグラフィでリミット悪趣味だなと感じた部分はリミットではなく踏み越えているし、シラグーサ以外は歌唱で惹きつけるソリストがいない。

アブラハミヤンは声と歌い方がモッタリしていて軽快さがなくロッシーニ歌いではないと思う。彼女はキャラクター的にも元気の良いイザベラには向いていないんじゃないか。ジュリオ・チェーザレでコーネリアを歌った時の方が彼女の良さが充分に発揮されていた。
歌唱的にいちばん拍子抜けしたのはダルカンジェロ。アジリタになると声が空っぽになるというか、何も入っていないタッパーウェアを振っているような感じ。フォルテでバーンと出す声はいいのに…。加えて機敏さもなくて、これじゃロッシーニを歌うには難でしょう。コメディアンとしてはこの公演の座長クラスに面白いんだけど。
あとあれだ、いつも我関せずみたいな印象で求心力が感じられないフリッツァ。何回聴いても彼の指揮は好きになれない。

それからアザレッティがエルヴィーラだったが(確か前回も)、H&Aで素晴らしいラムールだった彼女がこの演出でエルヴィーラというのはなんだかもったいないような気がした。


昨夜ガルニエに、女性は黒のベルベットのロングドレス、男性は燕尾服に白いジレ&蝶ネクタイおまけに白い手袋を持つといういでたちのカップルが何組かいて驚いた。ONPでその服装なのはジョルダンくらいだからねーw。

Orchestra 251-253