カプレーティとモンテッキは作品として「お見事、大傑作!」というものではないと思うが、高原の朝霧のような爽やかさで悲劇を語って違和感のないのにはただただ感心させられた。ポンキエッリのラ・ジョコンダもそうだが、ベリーニのほうがさらに軽やか。あぁベリーニがあと20年、いや15年でも長生きしていたら…。
ソリストは皆粒ぞろいでほぼ危なげなくバランスの良いいい歌唱を聴かせてくれた。テバルド役の声が重暗すぎたように感じられて、これはもう少し軽めの明るい声でないとカペッリオとロレンツォの声の間で際立たない。
カンパネッラの指揮が見事で今更ながら去年のチェネレントラを彼の指揮で聴きたかったと思った。大きなクレッシェンドの中に含まれる複数のクレッシェンドや滑らかに流れるメロディーのなかの浮き島のようなアクセントのつけ方など職人技だなあと…。
カーセンのスタイリッシュな演出とセノグラフィ(大きなパネルを並べた可動式の壁といつも通りライトを効果的に使った空間演出)、それに良く合ったクラシックな衣裳と視覚的にも楽しめる。ソリストとコーラスのディレクションも的確で上質の芝居を観ているようなのだが…ロメオ役のデエが相変わらず何をやっても同じ動きなのでそこで視線がひっかかる。歌唱はセストの時と比べ物にならないくらい良いのだから惜しい。
BRUNO CAMPANELLA Direction musicale
ROBERT CARSEN Mise en scène
Réalisée par ISABELLE CARDIN
MICHAEL LEVINE Décors et costumes
DAVY CUNNINGHAM Lumières
ALESSANDRO DI STEFANO Chef de Choeur
BERNARD CHABIN Maître d'armes
PAUL GAY Capellio
EKATERINA SIURINA Giulietta
KARINE DESHAYES Romeo
CHARLES CASTRONOVO Tebaldo
NAHUEL DI PIERRO Lorenzo
PARTERRE 5 24-26