魔笛の初日、久しぶりにすごく楽しい芝居を観ている感じ!
バーデン・バーデンと同じ演出だが、そこここに変更がある。登場の仕方、ピアニカは消滅等々…(他にもあるはずだから後で録画を観てチェックしよう)。
これは本当に観て聴くべき魔笛!目にも耳にも心にも!バーデン・バーデンの公演を録画で何回か観たとはいえ、そして実際に観るのが何より、と判ってはいても、ここまでjubilatoireだとは!
ザラストロのゼーリヒを要にとてもよくバランスの取れた理想的なソリスト達(モノスタトスが軽過ぎるような物足りなさはあったが)、彼らは芝居も巧く、演出の力もあって観客をあっというまに魔笛の世界に引き込む。
パパゲーノが客席からパンフルートを吹きながら登場する時がその瞬間だ。歌い手が客席から登場という演出は珍しくもないが、観客も魔笛の世界観の中に含みこまれ(ライティングが効果的)、それが至極当然のように感じられる。そして最後には私たち全員が白い服になってinitiésの仲間入りを許されたような錯覚にとらわれ、終演時のあの喜びに満ちたホールの雰囲気(バスティーユでは稀な気がする)をつくりあげているのだろう。
カーセンもジョルダンもみーんな裸足(笑) |
夜の女王のアリア、オペラ好きでなくても絶対知っているこのアリア、メロディーが流れ始めたらホールの空気がサーッと変わって、観客が前傾姿勢で「…くるぞ…くるぞ…」と待ちかまえている雰囲気(笑)。ロールデビュー、かつポストドゥセで嘱望されるドゥヴィエル(20年前カーセンがエクスで魔笛を演出した時に夜の女王を歌ったのがドゥセで彼女も同じく28歳だったそうだ)、ONP初登場だし大役に緊張していたと思うが(第1幕のアリアでは表面こそ柔らかさを纏っていたが、その下の硬さがありありと感じられた)驚くべきピアノの美しさと滑らないコロラチューラ(第1幕のアリアのトリルも)で乗りきり、大きな拍手を受けていた(復讐のアリアの後はすぐに下がってしまうので観客は見えない彼女に拍手をおくるわけだが)。最高音からの部分(ファ・ド・レ・シ)の2回目を正しい位置に置ききれなかったところは今後の課題。
誰を助けるかによって、その人物と同じ衣裳になる3人の男の子、今まで観てきた魔笛の中で迷わず1番をつけたい!彼らは将来どんなソリストになるか(ならないか)楽しみだ。
そしてオーケストラの音色の軽やかさ、爽やかさ、室内楽的なインティメートな音とそこに効果的に流れる透明感のあるシンフォニックな響き(バルコンでどのように聞こえたかは判らないけれど…)!プルミエールなのでそこここに微妙なズレがあったけれど、回を重ねるにつれて改善されて行くでしょう。あと2回観るけれど、最終回も観たいので要検討。これ、どこかが録音しないのかしら?!するべきだわー!
Philippe Jordan
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Direction musicale
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Robert Carsen
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Mise en scène
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Michael Levine
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Décors
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Petra Reinhardt
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Costumes
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Robert Carsen / Peter Van Praet
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Lumières
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Martin Eidenberger
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Vidéo
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Ian Burton
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Dramaturgie
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Patrick Marie Aubert
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Chef de Choeur
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Pavol Breslik
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Tamino
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Eleonore Marguerre
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Erste Dame
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Louise Callinan
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Zweite Dame
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Wiebke Lehmkuhl
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Dritte Dame
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Daniel Schmutzhard
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Papageno
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Regula Mühlemann
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Papagena
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Franz Josef Selig
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Sarastro
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François Piolino
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Monostatos
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Julia Kleiter
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Pamina
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Sabine Devieilhe
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Königin der Nacht
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PARTERRE 8-14