ボチャロヴァのキャラクターとプレゼンスはアムネリスに合っていると思うし、声のプロジェクションもよいけれど、何故か「いや違うでしょう」という印象がぬぐい去れない。おそらく「アイーダの主役は私だから!よく見てちょうだい!」という意気のようなものがゴリ押しのように感じられて辟易させられたのかもしれない。しかし最後の "...pace.." にまったく祈りが感じられないのは致命的じゃないだろうか。
そのタイトルロールのガルシア。彼女の声と歌唱はすごくイノセントな響きをみせることがあって、それが囚われの身の”王女”というノーブルさを感じさせる。下手をすると「ワタシここで何やってるのかしら?」と実際に自問しているのではないかと思わせるほどだ。そして彼女の声にはニュアンスがあり、戸惑いや悲しみなどの感情が声を通して伝わってくるのがよい。またそれがいたって自然で無理がない。ピアニッシモで長く保ちきれずに終わってしまっても、それがアイーダの心の弱りを表しているように聞こえるほどである。アルヴァレスとのペアで聴きたかった、本当に!
意外といっては失礼だが今日の舞台的なプレゼンスの筆頭になるのはラムフィスのスカンディウッツィ。王も兵士も神官(このmesでは司教?)もすべてを睥睨するかの如き朗々とした威厳のある歌唱、堂々としたプレゼンス、相対的にみて株が上がったのかもしれないけれど、この役でこれだけ満足させられることもそれほどないと思う(笑)。
この公演でアイーダを終わるのはどうしても我慢がならないので、もう一度Aキャストの公演を観に行くことに。まったく散財の種が尽きない…。
Carlo Cigni Il Re
Elena Bocharova Amneris
Lucrezia Garcia Aida
Zwetan Michailov Radamès
Roberto Scandiuzzi Ramfis
Sergey Murzaev Amonasro
Elodie Hache Sacerdotessa
Oleksiy Palchykov Un Messaggero
Elena Bocharova Amneris
Lucrezia Garcia Aida
Zwetan Michailov Radamès
Roberto Scandiuzzi Ramfis
Sergey Murzaev Amonasro
Elodie Hache Sacerdotessa
Oleksiy Palchykov Un Messaggero
PARTERRE 13 20-22